MONUMENT VALLEY...


グランド・キャニオンで結構見かけた鹿に別れを告げ、私は一路
モニュメント・バレイへ向かう。モニュメント・バレイは映画「駅馬車」
のロケで有名になった場所。その後も西部劇で度々登場する場所
である。

グランド・キャニオンからモニュメント・バレーまでの道のりは急激に
インデイアンの色が濃くなってくる。道端にはインデイアン・ジュエリー
の露天が立ち並び、放牧された馬が目に付くようになる。

空気はとにかく乾き果て、手はカサカサになる。こんな乾燥帯でおいし
い草などあるのだろうか??野生のたくましさ(野生ではないらしいが)
に感動しつつシャッターをきる。

途中立ち寄った、サンダル・トレイルはNavajo(ナバホインデイアン)
の記念館と併設されていて、昔のインデイアンの生活を見ることがで
きる。

西部のインデイアンは、主にアパッチ、ナバホ、それに映画「ダンス・ウ
イズ・ウルブス」で有名になったスー族が居住していたらしい。
いずれも、大自然を神としてあがめていた人々で、後からやってきた西
洋人とは対照的な人々であった・・・・。

日本人とは、祖先が同じだとする説がある。このあたりの、スーパ
ーなどに立ち寄り買い物でもすると、うなづける。これまで白人ばか
り出会っていたのが、嘘のように東洋系の顔ぶればかり・・。
言葉は英語だが、とても懐かしい感じがし、ホッとしてしまう。

たまに見かける、インデイアンの居留区は、それは質素で惨めな感じが
し、淋しくもある。政府は、先住民族としての権利を保証するための経済
支援をしていると聞く。しかし、その金によって、インデイアンたちは堕落
し、祖先たちの部族の誇りを見失う者も多くいる。
さて、モニュメント・バレイまでは、もう一息。ここまで来るとアメリカら
しい風景が続く。どこまでも続く真っ直ぐなハイウエイ。
私は、今自分がアメリカにいることをヒシヒシと感じる。カセット・レコ
ーダーにセットするのは、ブルース・スプリング・ステイーンのご存知
〜BORN IN THE USA〜
大合唱しながら、何故か涙がこぼれてくるのであった・・


モニュメント・バレイが近くなると、それまで放牧されていた馬に変わっ
て羊が多くなる。柵などなさそうに見える。
オーストラリアのエアーズロックもそうらしいが、デッカイ岩はすぐ近くに
見えるのに車で走っても走っても近づかない。大きすぎて距離感がつ
かめないのである。

この辺のガソリンスタンド、アメリカでは有名なTEXACOで燃料を入れ
ると、その安さに驚かされる。またこの辺りのスタンドは誠に質素その
ものである。セルフは当たり前、誰も窓など拭きにこない。

やっとの思いで、モニュメント・バレイらしい風景に近づいてくる

到着!!グランド・キャ二オンを見た後では、あれほどの感動はない
ものの、やはり圧巻・・。一体何万年の時を経てこれができたのだろ
う・・・・。
しかしこの岩は、現在も崩壊し続けているし、また何万年も後にはた
だの小高い山になっていくのだろうね・・・。

そんな事を考えながら、この場所を後にする。
なにしろ、あさってまでにロスに行き、日本へと帰る予定だったので
ある。これからフラッグ・スタッフの街まで、約500Km車を走らせる。
もっとゆっくりしたかった。もっと色々体験したかった。アメリカは広い
!!日本は小さい!!それを嫌と言うほど実感した旅でした。

ああ日本人よ・・・もっと大きくおおらかに、たおやかに生きたいもの
ですネ。