全国農業新聞
2007 8.31

報告が遅れましたが、去る2007年8月31日、ついに新聞掲載されました。業界紙、「全国農業新聞」です。(の中の地方版でーす照笑)以下はその全文紹介です。
掲載 全文   記者・・・・(記) 
   本人・・・・(本)

(記)消費者が求める「安全・安心」。では、どのような情報を提供すれば正しい理解が得られるのか。長与町の認定農業者で果樹(ブドウやポンカン)を栽培し、庭先や通信販売などで消費者と直接交流しながら、インターネットのホー
ムページ上で安全、安心や環境への思いなどを掲載する辻田晶夫さん(40)に、「安全・安心についての情報発信のあり方」を聞いた。

(記) 消費者の多くは「残留農薬」に高い関心を示すことについて、どう思うか。

(本) 消費者と生産者との距離が縮まらない理由は、防除暦などの、農業界の常識が消費者に知られてない ことにあるのではないか。農薬散布の許容範囲などの判断材料がないため、イメージや新聞報道などに頼るしかない。誰だって知らないものは怖いと思う。 いくら安全だといっても不信感をいだくのは当然だろう。「安全なのに、今ひとつ安心できない」とか「安心に思えるものが実は安全ではない」などと言った状態がさらに誤認に拍車をかけている。

 例えば、ブドウの黒とう病やべと病の防除に散布する農薬の※ボルドー液は青色だ。消費者にすれば、いかにも体に悪そうに見え、少量の付着でも敬遠する。こうした理由から、ボルドー液の使用を中止した観光農園もある。消費者に「安心」を届けるための努力が、逆に消費者に受け入れてもらえないのだ。
        
(記)消費者に農薬を理解してもらうため、必要なことは何か。
 
(本)  「エコファーマー」の認証取得は安心してもらうための方法の一つだが、消費者の認識は「減農薬に努めている」ことは「農薬は体に悪い」ということに繋がってしまっている。
 そうなると、エコファーマーの作ったものと慣行農法で、作ったものが同じ値段で売られていれば、エコファーマーのものしか売れなくなる。
      
 食育も、口にする農産物は農薬を使用したものばかりなのに、内容は農薬を使わない米作り体験が多い 。学校教育の中で農薬を使った一般的な農業を学習させることも必要だ。将来グリーンツーリズムを計画しているが、そこではボルドー液の散布など、ありのままの農業を見せ、不安を払いたい。
 農業を理解してもらうため、個々の生産者が出来ることとして、ホームページの利用を薦める。情報通信技術を活用した購買行動は増える傾向にある。商品の紹介だけでは伝わらない。経営方針から日常生活までを載せ、自分を知ってもらうことで消費者に信頼してもらえると信じている。

(記)情報を提供する際に、特に気を付けている点は?

(本) 情報の発信が、一方通行になりがちなこと。偏った情報の掲載は見る人から誤解を招く。私は「農薬の安全性」や「安全・安心」などを載せているが、、まず科学的な事実を載せ、その上で自分の思いを伝える。詳しい情報を求めている人の為にはリンク集に「農薬肯定」、「農薬反対」の双方の立場の情報を載せ、判断材料として提供している。
 物事の両面を見てもらうことが、農業を正しく理解してもらう為には必要だと思う。


補足1
 ※ボルドー液とは有機銅で歴史はかなり古く、フランスのボルドー地方の葡萄栽培で偶然に発見されて以来、今日まで使用されている。植物には散布してもほとんど吸収されない為(カルシウム分は吸収される)有害物質の残留もほぼ無い。日本の有機JAS認証(無農薬、無科学肥料栽培)においても散布が認められて
いる安全な農薬。欠点は汚れ。

補足2  
 初めての取材で少々緊張していた私。上の文で大体私の考えは表現できたと感じていますが、減農薬栽培を標榜する農家は私はエコファーマーの認証を取得すべきだと考えます。(私を含めて)なぜなら、口で、文で、減農薬を表現してもお客様には判断基準がありません。
 エコファーマーははお客様にと行政に減農薬を前向きに取り組むという姿勢を形にしたものであると思います。
 イメージではない、農薬の本当の姿や安全性、これまで担ってきた実績を私は評価しています。また、完全な有機栽培で葡萄やミカンを作れたらいいよねえとも思います。しかし、減農薬の為に張っていビ二ールやポリは、石油製品であり地球温暖化の面で言えば???です。
 リスクは減らすと別のリスクが増えることが多々です。お客様にも是非、農薬っていったい何だろう??と言うことを少しだけ考えていただきたいのです。
 農薬ネットでは農薬のことを誰でもわかるように解説しています。