●鶴の渡り・・(2005年2月) ●台風列島日本(2005年6月)
春が来た (2005年5月) 2004年度の巨峰について・・(2005年9月)

尻に火がつく・・(2005年5月

秋風が吹く・・(2005年10月)


鶴の渡り・・

 2004年2月10日。本日鶴の群れが北に向かって飛んで行きました。ちょうど私どもの農場の真上は,
渡りのルートになっているのでしょう。
 作業をしていると、どこからともなく耳覚えのある声が頭上からしてきます。見上げると、かなりの高度
で、鶴の群れ(数百羽くらい?)が旋回しています。

 実は農業を始めてからというもの、この群れをみるのは私のひとつの楽しみです。秋も終わりに近づき
冬になる前には、彼らは南下し、今日のようにまだ寒いうちから春の訪れを告げるかのように、北上しま
す。私は、鶴の姿を見ることで、冬と春の訪れを感じることができます。

 今日の群れは、とても印象的でした。かなりの高度ですから、旋回中に群れは雲の中に出たり入ったり
で、とても綺麗でした。旋回は遅れてきた仲間を待っているかのようにも見え、全員が集合するとまた、北
上を開始します。この間私は、作業は中止。ずーっと観察です。

 北上と、南下・・。年に2回のこの一大イベント、大体見ることができる私は働き者??

                      写真に撮ることができなくて残念!!






春が来た
今年(2004年春)は、例年に増してとても忙しい春です。昨
年6月末の台風の反省から、風に強い施設作りを推し進めて
きたのですが、その工事が大幅に遅れに遅れ、やっと先日
(3月25日)終了しました・・(ホッ)
気がついてみると、山桜の花は咲き始め、葡萄の芽は出始
め・・・。
ギリギリ アウトなのかセーフなのかわからない状態です。
作業が大幅に遅れた原因は、もうひとつ。ご覧の写真は一
見ビニールに見えますが実は、防風ネット。これを、園の70
パーセントかけちゃいました。過去2シーズン中実験してたの
ですが、葡萄の糖度、色付にも問題なく結果はまずまず。心
配していた雪にも耐え堂々のレギュラー入りです。
なにしろ暴風効果はかなりなもので、実験では葡萄の葉が
紅葉して落葉する事も多かったのです。
九州地方では、長野などと違い、葡萄の葉は紅葉する前に
「ベト病」で落ちるのが通例。風に悩まされ続けてきた私たち。
今年からは台風が来ても、被害が最小限に済むのではと、
期待に胸膨らませる私たちです。
もう一つの春は、ご覧のライ麦畑・・ではありません。ライ麦が
生えたブドウ畑です。さながら牧場のようです。写真ではわ
かりつらいですが、私の腿くらいまで成長したものもあります。
土壌改良のために冬にまいたものです。ヘビが入るかもしれ
ないことが、少しの心配つーか恐怖ですが、これまた今年から
の新しい試み。期待してますぞ
〜ライ麦君!!



尻に火がつく・・

久しぶりの更新です。皆さんお元気でしたか??
尻に火がつく・・・・今の私になんと適切な言葉なのでしょう。冬に始まった雨除けハウスの建造を、途中か
ら経費削減のために自分たちで引き継いだのが運のツキ。作業の遅れが、5月半ばに差し掛かった今で
も続いております。鉄パイプがまだ、畑に転がり、第一回目の草刈もまだ半分くらいしか片付いておらず、
ブドウの花は咲き始め、ポンカンやミカンの花も咲き始めました。
ワオ
 このまま一気に収穫までもつれ込むのでしょうか?
い〜や、そうはさせるものかと、ここ数週間は夜明けとともに、圃場に行き、日暮れとともに帰ってくる。例
年の作業に追いつくまでがんばるぞ〜〜っと、ただの愚痴と決意表明の日記になりました。
ただ、ブドウやミカンの作業自体は遅れておりませんで、今のところ順調です。それだけが救い。




台風列島日本

 つい先日、台風6号が日本列島を通過していきました。長崎県には実害はありませんで、ホッとしたと
ころです。というか無茶苦茶嬉しいです。というのも、この台風が日本列島に近づく1週間ほど前から気
象庁のホームページで、チェックしていたのですが、あまりの大きさと強さに恐怖を感じていました。
 ちょうど、1年前の6月19日に我が農園は、台風によって100万円くらいの被害が出たばかり。

そんなこともあり、この6号が九州に近づく3日前くらいから、眠れぬ夜を過ごしました。いやあ、農作物の
被害はなかったのですが今回は精神的に参りました。

ところで、こんなにも農家ならずとも恐れられる台風ですが、みなさんどれくらいご存知でしょうか?
長崎県で農業を営む人たちは、台風が長崎県の西側、つまり五島沖を通過することを非常に恐れます。
なぜかというと、それは台風の構造と深く関係します。

 台風は、綺麗な円形ではなく、おおかた中心から東側の方が西側よりも半径が長く、しかも雨風も東側
の方が強烈なのです。したがって長崎県の農家にとって、台風が長崎県の西を通るか東を通るかは、か
なりシビアな問題です。


詳しくは、気象等のホームページ・
http://www.jma.go.jp/JMA_HP/jma/index.html
台風に関するものは・・・http://www.kishou.go.jp/know/typhoon/

また、同じく台風に関するものですが、https://metoc.npmoc.navy.mil//jtwc.html
こちらはアメリカ陸・海軍合同の気象予報らしいです。ただし、台風の進路予想について個人的には気
象庁の方が、若干当たりが多いような・・・・

ま、みなさん台風のことが良くわかれば、風向きなどはある程度の予測ができますので、今後のホント
の台風シーズ
ンに備え、被害を最小限にとどめましょう!


2004年度の巨峰について・・

さて、本年は葡萄の花の開花時期の(5月中旬頃)冷え込みのため、単為結果という
小粒で種無しの葡萄が多く出来てしまいました。
この現象は、西九州〜山口県まで広い範囲で見られました。残念ながら我が農場も
例外ではありませんでした。
 しかし、この種無しの小粒葡萄は、酸味が少なく糖度が高いのが特徴です。
しかも、安い!!結構小粒目当てのお客様も多いんですよ。見栄えはあまり良くない
のですが味は折り紙つきです。
 
ゼヒゼヒ皮ごと召し上がられることをおススメします。というのも葡萄は皮の裏が特
に甘いのです。また、葡萄のポリフェノール(抗酸化物質)は、皮に多く含まれます。
葡萄の持つ栄養はホントは皮まで食べた方が効果的です。世界的に見ても皮まで
食べる習慣を持つ国が多いようですよ。

話は変わりますが、ご存知の通り今年は猛暑・・。雨が降りませんで、我々農家は
水撒きに追われています。こんな時の果物は甘いよー。

        (下の写真・左が単為結果、右が通常の種あり巨峰)


秋風が吹く・・

 やっと日本の西の果てにも秋風が吹き始めました。今年の6月から10月までは相次ぐ台風の
恐怖におののく季節でした。気象庁や、アメリカの気象情報などのホームページを観察してま
すと、やっと台風が過ぎ去ったと安心していると、太平洋上にはもう次の台風の卵が着々と襲
来の準備をしていまして・・・・何度となく目を疑ったものです。
しまいにゃもう慣れました。
そして、これを書いている最中、台風23号が10月中旬にもかかわらず、日本列島をめがけ北
上しています。どーなっとんじゃ-−??今年の夏!!と嘆いてみてもはじまりません。
 おそらく、こんな台風多発傾向は今後、珍しくともなんともなくなると私自身は考えています。

こんな中でも嬉しかったのは、ハウスの天井にも貼った防風ネットの威力をまざまざと観察でき
た事。なんと葉っぱ一枚風で痛まなかったのでーす。長崎には今年、3回ほど台風による強風
が吹き荒れましたが、大丈夫だったのでこりゃホンマモンでしょ。農家の皆さんにおススメしたい

 話は変わり、我が農場にも秋がやっと訪れ始めています。
我が農園の場合秋の訪れは、最初にミカンが色づきはじめ、次にシベリアから鹿児島に向かう鶴
の群れが、大声を出しながら頭上を南に向かって飛んでいきます。
 次が写真の「ススキ」が穂を出し始めます。最近は、ご覧の通りアメリカ原産(だったっけ?)の
「セイタカアワダチソウ」も目立ち始めました。のどかな写真にみえますが、この両者はすんごい生
存競争をしている最中の図なのです(笑)最近アメリカ嫌いなので、「がんばれ!ススキさん」
 しかし、喧嘩両成敗。この撮影後刈っちゃいました(泣)

このススキの季節が終わり始めると「ハゼ」が紅葉し始め栗の樹も・・・・
そんな風にして我が園は、晩秋を迎えるのです。